Aさんは進行した歯周病でした。進行した歯周病では、骨は溶けてしまい、歯はグラグラし、膿が出るような症状になってしまいます。自力でものを食べることは難しい用に思えます。これだけでなく、歯を削つては詰め、削つては詰めを繰り返してしまっていたので、比較的健康な歯も削られてしまい、ほとんどすべての歯がグラグラしていました。特に、下の歯は全部の歯をつなげて金属製の冠を被せられてあったので、下の歯の全体が不安定でした。

このようにとても進行した歯周病の治療には、歯を固定したうえで洗浄を行い、コラーゲン再生医療と高濃度の抗真菌剤を投与する治療を行うと良いと思います。幸い、下の歯はすべてつながっていました。そのため、針金による歯の固定は上の歯にだけ行うようにしました。歯の固定の方法にはいくつかの種類があります。この患者様の場合には患者様の歯に合わせて針金を曲げ、その針金を接着剤で歯の表面にくっつけるという方法で固定を試みました。患者様はやや遠方に住んでいるため高い頻度での通院が難しいということでした。そのため、治療のはじめのうちは2週間にl度通院していただきましたが、しばらくすると、1カ月にl度のペースになってしまいました。そのため、来院していただいたときにはコラーゲンの再生医療と高濃度の抗真菌剤の投与を行っていました。

真菌はとても賢いので、治療が始まると真菌の生息しやすいところに移動する性質があります。そのため、歯周病の進行した部分だけでなく口腔内全体を治療する必要があると考えています。この全体の治療しなければ症状のもととなっている真菌を完全に排除することは難しいでしょう。

この治療によってAさんの歯はびくともしないほどしっかりとしたものになりました。これは、骨が再生したためでしょう。しかし残念なことに、上の歯はまだ少しグラグラするようでした。これは歯の特性であり、下の歯よりも上の歯の骨の方が元々弱かったためだと思います。